プロセッサから考える脳の話
AIから人間の認知を知る
AIを活用する動きが活発な今日この頃。AIにも様々な手法がありますが、なかでもディープラーニングが有名かなー、と思います。ディープラーニングは人間の脳(ニューロンというやつ)をモデルに作られているとのこと。これを逆に見ると、ディープラーニングを通して人間の脳について考察できるのでは?と考えることもできそうです。同じことを考える方は多く、AIから人間がなにを学べるか語っている記事をちらほら見かけます。
プロセッサを人間の脳に置き換えると?
さて、AIを人間に見立てて考えられるのならば、コンピュータの脳と称されるプロセッサを人間の脳に見立てて知見を得られるのではないか、と考えました。いくつか考えてみたなかで今回は「クロックゲーティング」と「脳の休息法」について語ってみたいと思います。
「クロックゲーティングと「脳の休息」
「クロックゲーティング」とは
プロセッサとは、パソコンの動作の中心となる部品です。主な役割は計算を高速で行うことですが、これを実現するために様々な工夫が凝らされています。その1つに、プロセッサの動作をさらに細かく分けて、別々のパーツで分担する工夫がなされています。こうすることで、1つの作業をプロセッサのパーツごとに並行して行うことができるため、処理のスピードアップにつながります。しかし、パーツが各々働くためにはそれぞれに電源を供給する必要があります。そのため、パーツAは働いているがパーツBにはやることがない場合、ただ暇をしているパーツBに電気が流れます。これでは電気がもったいないです。
そこで、クロックゲーティング。クロックとはプロセッサのパーツを動かすための指令のようなものです。クロックゲーティングではやることがないパーツのクロックを止めることで電気の無駄遣いを防ごうとする技術なのです。先ほどの例ではパーツBのクロックを止めてしまい、必要になったら再度クロックを動かします。
使っていなくても働く脳
話を始める前に、参考にした書籍を紹介します。
この本では、脳から疲れをとるための方法や科学的根拠をストーリー仕立てで紹介しています。この本によると、脳にはデフォルト・モード・ネットワーク(略してDMN)と呼ばれる部分が存在しており、ボーッとしている時でも活動しているとのこと。詳しい内容はこちらの本を読んでいただきたいのですが、DMNの活動をうまく抑制できるようになることで疲れをとることができるのだそうです。
なんだか似てる気がする
私自身はこの本を読んだあと、クロックゲーティングについて学んだのですが、両者を結びつけて考えずにいられませんでした。似たようなことがプロセッサでも人間の脳でも起こっているような気がしませんが?さらに言えば、プロセッサで普段行われていることを自分の脳で再現できたら、なんだか効率が上がりそうじゃないですか?
次回はマルチタスクについて考えたい
この文章を書きながら、マルチタスクについてプロセッサと人間の両方から考えてみたら面白そうだと思いました。考えがまとまったらお話ししたいと思います。